【初完走応援編】②制限時間内完走を目指すために

フルマラソン完走者分析
初完走応援編=京都マラソン2017で6時間の制限時間内完走を目指す人へのアドバイス第2回目は、まず記録の分析から始めましょう。前回の京都マラソン2016は、出走者15,749人。そのうち完走者は14,868人で、完走率が約94%でした。大阪マラソンの制限時間は、京都マラソンと比べて1時間長い7時間で、完走率は97%前後ですが、6~7時間でフィニッシュした人は全体の10%を少し超えます。この数字から考えると、都市型マラソンの中では制限時間がやや短い京都マラソンですが、出走者は十分な準備をして大会に臨まれていることが推測されます。

では、その完走者の42.195kmのペース配分には、どのような傾向があるのでしょうか?

6時間という制限時間以内の完走を目指すなら、42.195kmを1kmあたり平均8分30秒程度、時速7kmのペースで進む必要があります。しかし、スタート号砲の後、整列地点からスタートラインまでに15分ほどかかる場合もあり、途中の給水、給食、トイレ時間を考えると5時間30分前後でフィニッシュする走力は有しておきたいところです。5時間30分になると1kmあたり平均7分50秒程度、時速7.6kmのペースになります。では、完走者はこの一定ペースでスタートラインからフィニッシュラインまで走り切れたかというとそうではなく、当然波があります。

スタート後、前半は、1kmあたり7分~7分30秒程度のペースで走ると、ハーフ通過時点では2時間30~40分ほどです。スタート時の興奮や応援により、自然にややオーバーペース気味になります。その後、徐々に脚の疲れを感じて、重く動きにくくなってペースダウンが始まります。後半のハーフは、1kmあたり8分30秒~9分程度のペースで走ると3時間0~10分、前半より30分ほど余計にかかります。35km以降になると、9分~9分30秒程度と歩行ペースまで落ちている人も多く見受けられます。このようにペースダウンしながら走っても、スタートラインからフィニッシュラインまでのネットタイムは5時間30~50分という結果で時間内に完走できるのです。

実際にフルマラソンを完走された方の記録

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フルマラソン完走のために必要な走力は?
さて、AさんBさんの記録を見て、皆さんはどう思われますか?そのペースなら余裕そう、いや後半はそれだけペースが落ちるのか、ペースと言われてもピンと来ない、などいろいろだと思います。

ペースがピンと来ない人は、まず、練習で走っているペースが1kmあたり何分何秒ぐらいなのかを把握しましょう。公園などの距離表示があるコースならペースは明確ですが、インターネットの地図からマイコースの距離を測定することもできますし、最近はGPS機能付時計の距離表示も精度が高くなっています。それらを利用して、「かなりラク」、「ラク」、「快適」、「ややキツい」と感じている時(ペース感覚)、それぞれのペースが何分何秒かを数字で認識し、時間内完走に必要なペースと対比していきましょう。
ペース感覚については、次のページで確認してください。
第4回:「おきばりやす」・・・今が頑張りどころです!

これから2月までにその完走に必要な走力を身につけていくことが目標になりますが、それまでに10kmやハーフマラソンの大会に出場することをお勧めします。初めての大会が京都マラソンとなると、それに向けての用意や当日の段取りに戸惑うことも多いので、事前に大会の雰囲気に慣れ、正確な走力を確認しておきましょう。ネットタイム5時間30分前後でフルマラソンフィニッシュするためには、10kmの大会では1時間7分30秒程度(1kmあたり6分45秒)、ハーフマラソンでは2時間30分程度(1kmあたり7分06秒)の走力を有していることが目安になります。10月時点ではまだでも、練習を積み重ねて1月までにはその走力まで高めていきます。12月、1月の大会のエントリーはまだ間に合いますので走力確認の場をあらかじめ設定しておきましょう。

10月に取り組みたいこと
さて、10月の練習法は次のとおりです。前回の内容と大きく変わりませんが、ペース感覚と実際のペースを意識し確認しながら走っていくことが今月の目標です。

・週1、2回、30〜60分の範囲で走りましょう。
「ラク」か「快適な」ペースで走り出しますが、ラスト10分はもし余裕があれば、「ややキツい」ペースまで上げていきます。1km毎のペースを確認し、「ラク」、「快適」、「ややキツい」と感じているときの実際のペースを認識していきます。

・週に1回、時間がとれる週末などに、10~20kmを目標に距離を伸ばします。
余裕を持って「かなりラク」か「ラク」と感じるペースで走り、距離を伸ばしていきます。徐々に脚が疲れだし、途中からペースダウンすることもあるかと思いますが、何kmまでどれくらいのペースを保ち、何kmからはこのペースになった、ということを、練習中・練習後に確認し、現時点のおよその走力を把握していきましょう。