【コラム】②フルマラソンの楽しみ方

10年以上前は、フルマラソンに出ていると言うと、「並外れたすごい体力ですね」と驚かれ、「大変辛いことを頑張っていますね」と感心され、「走っている時は何を考えていますか?」と不思議がられ、「そんなに長い距離を走って何が楽しいですか」と呆れられたものです(笑)。しかし、今、フルマラソンは、自分の可能性にチャレンジでき、楽しめる場だと、多くの人が実感し、世間にも認められてきているのではないでしょうか。

特に、最近は、大会や練習の前後の楽しみ方が多様化し、個性的になってきているように思えます。練習の準備としてのシューズやウエア選びは、機能面だけでなく、色やデザインなどの選択肢も増え、自分のお気に入りを見つけ、走る前から楽しむことができます。GPS機能付き時計の精度も高まり、走り終わると距離や高度、ペース、心拍数などの走行データが自動的に自分のWEBページに掲載され、がんばった練習内容もグループで共有しながら振り返り、楽しむことができます。また、フルマラソンも全国各地で開催され、その準備として旅のプランの作成や、大会後の観光、地元の美味しい物をいただきながら家族や親しい走友との打ち上げなど、ワクワク楽しいことは大会前後に事欠きません。

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では、走っている最中に皆さんは楽しさを感じていますか? 練習中、周りの景色を「見る」、風を切る音を「聴く」、呼吸の弾みを「ココロで感じる」、地面を跳ねる感覚を「足の裏で感じる」。これらの感度を増すと、走り自体も楽しめてきますよ。また、大会ではフィニッシュを目指すことに集中してタイムとペースの配分に気を配りながらも、周りのランナーと自然に競い、ラクではなく辛いけど、少しでも楽しんでいると実感できれば、その人は、マラソンの楽しみ方のわかった一流の市民ランナーではないかなあと私は思っています。

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