【サブ3.5・サブ4応援編】②ペースをコントロールする

サブ3.5・サブ4完走者分析
大会で、フルマラソン3時間半、4時間を切れたランナーはどういうペースで走り、フィニッシュしたのでしょうか?後半ラップタイムが上がった人、ほぼ同じペースを保った人、30km以降ペースダウンした人など、様々な傾向があります。しかし、このグループ(3時間半~4時間で完走した人)に特徴的なのは、前半と後半のタイム差がかなり縮まり、後半の落ち込みを4~6分程度に食い止めてフィニッシュした人が多くなるということです。特に京都マラソンの場合、コース前半に小刻みなアップダウンが続きますが、後半は37~39kmの登りを除くと平坦か下りなので、後半の方が速く走れたという人も出てきています。

前回も書いたように、サブ3.5を目指すならハーフマラソンで1時間36〜41分、サブ4を目指すなら1時間50〜55分の走力を有している必要があります。そのうえで、目標達成するためのペース配分のイメージを持ちましょう。例えば、サブ3.5なら、前半1時間43分・後半1時間47分以内、サブ4なら、前半1時間57分・後半2時間03分以内、といったように目標を細分化するのがよいでしょう。

次のように段階を踏んで練習内容をステップアップしていくと、長年にわたり記録を向上できる可能性が高まります。

ビルドアップ走に取り組みましょう
まず、練習を習慣化する段階ですが、このような練習は、このレベルを目指す人なら行ってきた内容かと思います。

1)ロングジョグ、LSD
「非常にラク~かなりラク」なペースで走り、30分、45分、60分、最終的には3時間程度まで徐々に徐々に時間を伸ばしていく。

2)自然なペースアップ走
60分以内の練習の後半、ゴールまでペースを上げても失速せずに走り切る見込みができた地点から徐々にペースを上げていく。
さらに、練習のバリエーションを増やすことでカラダに新たな刺激を与え、様々なペースをコントロールできるように走力を高めていく段階へと進みます。

3)ビルドアップ走
スタートからペースをコントロールしながら、階段状にペースを上げる。

4)一定ペース走
15、20、30kmと、目標距離に応じたペースを設定し、走り始めからフィニッシュまでそのペースを維持する。

5)ハイペース走、インターバル走
5~15kmと短い距離をハーフマラソンより速いペースで走る。スピードの緩急を大いにつける場合もある。

今回は、3)のビルドアップ走の方法を詳しく見ていきましょう。

9km又は12kmの練習中にペースを段階的に変えていきます。3段階で3~4kmごとに、①「ラク」②「快適」③「ややキツい」のペース感覚で。実際のペースは、①フルのペースかそれより遅い、②ハーフ~フルのペース、③10km~ハーフのペースになります。3段階のペース差は、1kmあたり10~30秒にします。

一例としてこのようなペース配分になります。
サブ3.5目標レベル ①5分00秒を4km ②4分45秒を4km ③4分30秒を4km
サブ4目標レベル ①5分45秒を3km ②5分15秒を3km ③4分45秒を3km
同じ程度のペース上げ幅で階段の高さが同じぐらいになるようにします。

ここで重要なポイントは「フルペースより遅く」、「フルペースで」、「ハーフペースで」、「10kmのペースで」、とそれぞれのペース感覚を意識して走ることです。階段状になっているか、また階段の高さがほぼ等しかったかと、その時のペース維持や上げ幅などの結果は、練習後にしっかり数値で確認し、次回の練習に活かしていきましょう。

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さらに週末などの時間がある時には、「ロングビルドアップ走」に取り組みましょう。合計距離は21~30km。ぺース感覚は、①「かなりラク」7~10km ②「ラク」7~10km ③「快適」~「ややキツい」7~10kmになります。

完走を目指すだけなら、より長く走れるペースを知る、身につけるということで十分ですが、サブ3.5・サブ4クラスなら、プラスしてペースをコントロールする力をつけていく必要があります。また、ビルドアップ走のラストのペースアップでピッチを高めることは、本番で後半の失速を防ぐことにもつながっていきます。

ハーフマラソンへの挑み方
10~11月にかけて、ハーフマラソン出場を予定している人も多いでしょう。ハーフマラソンの挑み方はいろいろありますのでご紹介します。

1)自己新記録や昨年の記録更新を目指して目一杯がんばる(走力確認)
2)フルの目標ペースで、少し余裕をもって走り抜ける(走力確認)
脚が疲れていれば、正しい走力評価ができませんので、これらの目的で走る場合は、前々日、前日に走る量をかなり落としましょう。

3)走り込みの一貫として
この場合は、前日に10~20km走って、2日間合計で30~40kmを走ります。一度に30km走をできていない人にはお勧めの練習です。

走力確認もしたいし、走り込みもしたいというランナーには、こんな方法もあります。
4)ハーフマラソンのフィニッシュ後なるべく時間を空けずに、さらに10~15km走ります。
速いスピードは必要ありません。フルマラソンのペースより遅いジョグペースでOKです。大会で疲れた脚にもうひと踏ん張り仕事をしてもらいます。最寄りの駅まで走るのも良いかと思いますが、リュックサック内の荷物は少な目に、揺れないようにしっかり背に固定して、快適に走っていきましょう。