【初完走応援編】①最初に知っておきたいこと

最初に
この「初完走応援編」は、京都マラソン2017で初めてフルマラソンに挑む人を対象に進めていきます。前回(京都マラソン2016)の「初級編」を発展させ、今回は、時間内完走、つまりスタートラインから5時間半前後でフィニッシュラインに到達するために必要なトレーニング法を紹介していきます。でも「はい、これです。頑張っていきましょう!」と皆さん任せでなく、いかにすればそのトレーニングが継続できるか考えながらアドバイスしていきます。

現時点からレース当日まで6か月程の期間があります。まだ十分な準備期間があると思う人、逆にもうあまり時間がないと思う人と様々でしょう。でも、「大会当日42.195kmを果たして走り切れるだろうか」、「途中で脚が動かなくなるのでは」という不安な気持ちは、完走経験のない人皆が持っていると思います。この6か月間の練習の目的は、「よし、これならゴールまで走り切れそうだ!」という確信を大会1か月頃前には持っていられるようにすることです。そのために、今から練習をケガなく積み重ねていきましょう。

今回は、フルマラソンを目指すランナーが最初に知っておきたいことと習慣化したいことを記していきます。

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フルマラソンはコツコツが一番のポイントです
マラソンは、長い期間をかけてコツコツと練習できたかどうかが結果に直結するスポーツです。ボールを投げる、打つなどのスキルは一度身につけると失くなりません。しかし、マラソンの場合、元オリンピック選手でも、今走っていなければ、同年代の市民ランナーに負けてしまいます。心肺持久力、筋持久力等の体力はトレーニングをしないと急低下します。逆に、昔、足が速かった遅かったに関係なく、誰でもコツコツと練習を積み重ねれば体力がアップし、それが結果に直結するスポーツ、これがマラソンなのです。

・練習で急に頑張り過ぎると、ケガ(ランニング障害)のリスクが高まります。
・大会で急に頑張り過ぎると、心臓トラブル(心停止など)のリスクが高まります。

この点も理解し安全にフルマラソン完走を目指し準備していきましょう。

ランナーである前に、まずはフィットネスレベルを上げましょう
ランナーとは「走る人」のことです。でも「走るだけの人」にならないように、というのが健康運動指導士でもある私からのアドバイスです。走力が高くてもフィットネスレベルが高くないランナーも意外に多いのです。では、フィットネスレベルとは何でしょう。

「日常生活が不自由なく過ごせる→活動的である→動きの均整(バランス)が良い→健康体力年齢(心肺持久力・筋力・筋持久力・柔軟性・適切な体重など)が実年齢より若い」

これらは後ろに行くにつれてフィットネスレベルが高くなっていき、生活習慣病発症リスクを下げて健康寿命を伸ばしてくれます。走るだけでなく日常生活をよりアクティブに変えていく意識を持ちましょう。

・歩ける範囲(30分程度)であれば自分の脚で移動する習慣をつける。
・速く歩く、階段を常に利用する等、日常生活レベルよりやや強い負荷をかけて動く意識を持ち、その習慣を持続する。

いろいろな数字と記録に関心を持ちましょう
マラソンのトレーニングにおいては、時間、距離、ペース(速度)などの数字が、無理なく段階的に練習を積んでいくための指標となります。ただ単に、走れる時間内で走れる距離を疲れるまで頑張るのでなく、どのぐらいの距離、時間を平均どのぐらいのペースで走って、終わってからの余裕度はどうだったかを記録する習慣をつけましょう。

・ランニング等の運動の記録を残す
・体重を定期的(最低1週間に一度)に計る
・毎日の歩数を把握する

自分のデータを継続的に記録し、関心を高めることはフルマラソンの完走にも繋がっていきます。

特に筋トレとストレッチも走る事と同じ、とても大切なトレーニングです
初完走を目指す人にとってランニング障害の予防がとても重要です。筋トレとストレッチを全くしなければ、障害が起きて当然と考えましょう。筋トレとストレッチのお勧め種目は、次のページで確認してください。
第1回:「ぼちぼち」と準備を始めましょう。
第3回:「あんじょー」・・・走るためのポイントです!



夏の2か月間の練習計画はコレです。
この時期、練習を始めるに当たってのアドバイスはとてもシンプルです。

・週1、2回、30〜60分の範囲で走りましょう。

屋外なら日差しがなく気温も高すぎない早朝や夜間に。屋内のスポーツ施設のトレッドミル(ランニングマシン)なら、音楽を聴くことにより景色が変わらない退屈さを紛らわせてくれます。おしゃべりできる余裕のあるペースで。あと10分、5分ということでペースアップしても持続できるなら、最後は少し息を弾ませてのゴールでも構いません。

・週に1回、時間がとれる週末などに、3時間体を動かし続ける。

もちろん、いきなり3時間走るのは無理ですね。山や起伏のあるコースを歩いたり登ったり、動きすい服装で買い物ついでにショッピングモールを歩き回るのも良いでしょう。

以上、まずは意識を高め、行動を変え、無理なく習慣化することからスタートしましょう。